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日建協 賃金交渉事前セミナー

日建協 賃金交渉事前セミナー

 

平成24年12月7日、ホテルラングウッドにて「賃金交渉事前セミナー」が日建協さんの主催で開催されました。
今回のテーマは「交渉およびプレゼンテーションのスキルアップ術」と題し、公益財団法人富士社会教育センターの西岡勇治氏が講師として迎えられました。
 
このセミナーでは、まずコミュニケーションにおける伝え方と伝わり方の違いを解説いただきました。基本的に人は関心のあることにしか注意を向けないでいるために、興味のないことは全く覚えようとはしないので、話し手はいかに相手の注意を自分に向けさせるか、ということや、伝えたいことをどう話すか、起承転結ではなく結起承結で、相手が欲しがる必要な情報だけを要約して明確に伝える等を教わりました。
 
 
 
また、パワープレゼンテーションという相手に強く納得してもらうプレゼン方法も教えて頂きました。伝えるために必要なことは、正しい話の展開をつくること、目標は相手を説得すること、聞き手の視点で話を進めること、内容は絞り込むこと、これがパワープレゼンで、その中において、聞き手への質問、特筆すべき統計・新事実、過去と未来の話、興味を引くようなちょっとした逸話、信頼有る人の推薦の言葉、良く知られた格言、複雑な話題を分かり易く説明するための例え、を織り込んでいくというものでした。つまりパワープレゼンが目指すものとして、次の5つの課題を克服することです。
1)わかりにくさ、難しさ
2)聞き手にとってメリットや関心が無い
3)論理展開がスムーズでない
4)内容が詳しすぎる、細かすぎる
5)時間も内容も長すぎる
 
あとは、交渉時における心得です。交渉とはただ自分たちの主張を強調することではない、どのようにお互いのバランスをとるか、というところです。まずは、賃金においては特に
認知構造に違いがある(同じこともある)ことを認識する必要があります。
 ①会社側は賃金を「コスト、経費の一部」と認識。従って低ければ低いほど良い。
 ②組合側は賃金を「生活費、生計費」と認識。従って高ければ高いほど良い。
この上で、交渉においては
 ①相手の抵抗点(落としどころ)の修正
 ②相手が予想している当方の抵抗点(落としどころ)の修正
 ③より高い目標
 ④妥協・譲歩・打ち切り・冷却期間の設定など
 ⑤交渉力情報(※)を相手に伝える
  ※交渉力=+要因:交渉が成立した時の相手のメリット
       -要因:交渉が不成立の場合の相手のデメリット
これらの戦略を用いて、より良い落としどころで合意に結びつけていくというものでした。
 

単なる労使交渉の場におけるテクニックということではなく、人間力の向上という面でもためになるセミナーでした。